エクスペリメントを見てきた

エクスペリメントを見てきた

実在の「スタンフォード監獄実験」をテーマにした映画。

この実験はある集団を囚人と看守に分類し、それぞれの役割を演じさせた場合の反応を 14 日間観察する。
Wikipedia によると実験の意図は

普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまう事を証明しようとした実験が行われた。

スタンフォード監獄実験 - Wikipedia
とのこと。過去に本で読んだので話は知っていた。

この実験は初期状態で平衡している囚人と看守間のパワーバランスの変化を期待するわけなので実験に影響を与えうる属性を持つ人間は被験者に適さない。実際に選考段階でそれを判断していると思われる場面もある。

しかし、主要人物の一人に与えられた属性は結果的に適切ではなく、それを示す描写も複数ある。囚人と看守が入れ替わっても同じ事が起こる可能性がある点が実験から得られた知見なのだが、演出によりそれが薄らぐことになり残念である。特殊な状況により潜在的欲求が出現した被験者を意図的に含めたとも解釈できるので一概に演出が悪いともいえないが。

因みに実験は 6 日で中止されたというのがこの映画のコピーなのだが、Wikipedia によると実験者側による自発的な中止ではなかったようだ。

決して愉快な気分になる映画ではないが、この手の話題には興味があるので楽しめた。